
2025年12月21日 説教「悩める人々…聞きて憩え」 “You in Distress . . . Hear, and Rest”
箇所 Text:ルカの福音書 Luke 2章1~7節 聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
説教者:百瀬ジョザイア 讃美歌/Hymns:112、115、114、539番 招詞/Call to Worship:ルカ Luke 2章10~11節 交読文/Line-by-line responsive reading 23 詩96篇(Psalm 96)
English Aids: Scripture (ESV Bible), Japanese hymn transliterations (some songs may be missing)
牧師は人の悩みをお聞きすることがあります。自然災害、体調、仕事、学校、家庭事情や地域の紛争で悩みはだれにでもあります。明るく、「クリスマスおめでとう」という気持ちになれないこともあります。最初のクリスマスでさえも、悩み多い時でした。そしてクリスマスは私たちの悩みにも関係します。説教の後に、「悩める人々、かしらを上げ 栄(はえ)あるこの日を たたえ歌う たのしき歌声 聞きて憩え」と歌います(讃美歌114番3節)。
悩みある中でも、憩いを得るのですか?はい。今日の箇所はキリストのご誕生について述べますが、登場人物の悩みは多かったです。ところが、クリスマスの悩みに対して、励ましのことばもありました。
一、クリスマスの悩みと励まし(1~7節)
- 【背景】ルカ1章、マタイ1章によると、ユダヤ人のマリアとヨセフは特別な約束を受けていました。マリアは処女として、妊娠しました。神様が直接、奇跡的に介入して、彼女に赤ちゃんをお授けになりました。彼女そして婚約相手のヨセフには、その子はイスラエルの王ダビデの子孫、また神の聖なる子であると約束されました(マタイ1章21~23節、ルカ1章32~33節)。二人はワクワクしたかもしれません。でも、不便と悩みは増えました。
- 1〜2節【仕方ない世界情勢】
- 1節「そのころ、全世界の住民登録をせよという勅令が、皇帝アウグストゥスから出た。」当時の世の中は建前平和でも、問題はありました。イスラエルの地から遥か遠く離れたローマの皇帝、アウグストゥス・カエサルは帝国の治安と平和を維持したことで有名でしたが、庶民に負担をかける住民登録はしました。
- 2節 パレスチナの政治情勢として、総督キリニウスに触れます。
- 3~5節【負担と悩み】
- 3節 人は仕方なく、移動して登録される不便と負担に甘んじました。(あなたも、手に負えない、止むなしの問題で、神の助けはあるだろうかと疑いますか。)4節「ヨセフも、ダビデの家に属し、その血筋であった」。マタイの福音書にその系図が記されています。しかし、辺鄙な田舎に細々と暮らしていました。
- ダビデ王の子孫として、ヨセフは貴族のはずでしたが、ローマとその手先であるヘロデ王の支配下では、昔の王家だと言えません。逃れてかは知りませんが、ヨセフはユダヤ人の首都エルサレムとから離れた地方のガリラヤ地方、その中でも奥地のナザレの村の木工の職人を営みました。ベツレヘムに親戚はいたかもしれませんが、旅するのは不便でした。
- 3節 人は仕方なく、移動して登録される不便と負担に甘んじました。(あなたも、手に負えない、止むなしの問題で、神の助けはあるだろうかと疑いますか。)4節「ヨセフも、ダビデの家に属し、その血筋であった」。マタイの福音書にその系図が記されています。しかし、辺鄙な田舎に細々と暮らしていました。
- 6〜7節【到着と出産】いよいよ、出産。
- 6節「彼らがそこにいる間に、マリアは月が満ちて、男子の初子を産んだ。」知らない町でマリアの親戚を離れて、不安いっぱいの初出産でした。
- 7節「宿屋には彼らのいる場所がなかったから」、赤ちゃんのベッドは家畜の餌箱、「飼葉桶」でした。どういう場所だったかははっきり言えません。でも心地よく、芳しい香りの所だったとは言えません。マリアそしてヨセフは疲れ果てた旅と出産の後、「神様に約束された王の誕生としては、どうだろうか」と思ったかもしれません。悔しいとか、自分は可哀想に思ったかもしれません。
- 【神からの励まし】しかし、神様は励ましのことばを送りました。
- 貧しい羊飼いたちは夜、ヨセフとマリアに現れました。そして驚いたことに、その羊飼いたちは、自分たちに天国からの使いの天使が良い知らせを告げられたと述べました!
- 11節「あなたがたのために救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリスト〈=メシア、神に送られた救い主なる王〉です。」その知らせはヨセフとマリアが受けていた予言と合致しました。王ダビデが生まれた町ベツレヘムに、神の選びの王キリストが生まれました。羊飼い、マリア、ヨセフは、不便と悩みにおいても、主なる神様が働いておられると改めて気付かされました。
二、イエス様の悩みと私たちの憩い
- イエス様は悩み多い家族に、悩み多い者でした。イザヤ53章でキリストの預言のとおり、
- 3節「彼は蔑まれ、人々からのけ者にされ、 悲しみの人で」と書かれています。最大の悲しみ、悩みは、神様を拒みご自分を拒んだ反抗という罪でした。
- 5節「しかし、彼は私たちの背きのために刺され、 私たちの咎のために砕かれたの彼への懲らしめが私たちに平安をもたらし、その打ち傷のゆえに、私たちは癒やされた。」
- 私たちは辛い悩みを抱えているかもしれません。でも、一人で背負う必要はありません。実に、私たちは悩みを受けて当然の罪びとです。神様の助けを拒んで、神様を拒絶する自己中な人です。しかし、代わりに人の悩みを担うため、「救い主がお生まれになりました」(ルカ2章11節)。最大の悩みである、神様との敵対である罪を代わりに、イエスは大人となり、十字架の上で償いました。どんなに難しい中でも神に従われました。だから、あなたの悩みを軽くすることがおできになります。「すべて疲れた人、重荷を負っている人はわたしのもとに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます」とマタイの福音書11章28節で言ってくださいました。
- これを聞いて、信頼して憩うかどうかを決断する必要はあります。
- これを聞いても、いや、自力で、イエス様抜きに生きると決めるなら、神様の敵として悩み続けます。クリスチャンでも、時にはこういう態度を取ってしまいます。自分の救い主になろうと、良い行いで神様に認められようとしても、できません。余計に悩んでしまいます。
- しかし、「あなたがたのために救い主がお生まれになりました」に二つの招きがあります。①救い主は必要と認めること。「悔い改める」こと、神様の愛を拒んで自分に頼ってきた罪を認めて、それを憎み、諦めること。神様に従おうと決心することです。②救い主に自分を委ねること。「キリストを信じる」こと、イエス・キリストの悩みは自分のためだったと信じて信頼すること。キリストだけに頼って神様に赦しと助けを求めることです。
- そうすれば、悩みの中でも主が支えると安心して、憩うことができます。悩み多い生活にも神様が関わって、本当の幸いをもたらしてくださると分かります。
- しかし、「あなたがたのために救い主がお生まれになりました」に二つの招きがあります。①救い主は必要と認めること。「悔い改める」こと、神様の愛を拒んで自分に頼ってきた罪を認めて、それを憎み、諦めること。神様に従おうと決心することです。②救い主に自分を委ねること。「キリストを信じる」こと、イエス・キリストの悩みは自分のためだったと信じて信頼すること。キリストだけに頼って神様に赦しと助けを求めることです。
- 憩うことは、神様に聞き従う決心が伴いますから、日々の歩みにも従う必要はあります。しかし、それは共にいる神様の助けによって、できます。悩みを神様、また、クリスチャンの友(牧師)に打ち明けてみてください。悩める中でも、良い知らせを聞き、信じ、憩われますように。
説教について
振り返り:努力による救いを諦め、悩みそして罪をイエス様に明け渡して、憩いますか。
参照聖句:イザヤ書53章、ルカ1:32-33、マタイ11:28-30