2025年1月12日 説教「この福音に仕える者」 “A Minister of this Gospel”

聖書箇所Text:エペソ人への手紙 Ephesians 3章1~7節 聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会 

説教者:百瀬ジョザイア  讃美歌/Hymns:67、225、162、541番 招詞/Call to Worship:詩篇 Psalm 117篇1~2節 交読文/Line-by-line:マタイ6章より (Matt. 6:25-34)

礼拝後に成人祝福の祈りを予定

初めに 何のためなら、あなたは長く我慢できますか。ご褒美のため?賞賛のため?社会貢献のため?私たちは歴史上、あるいは身近なところで、反対されても罵られても諦めず、大事な事を成し遂げた人を尊敬します。そういう人はなぜ続けられたかと言うと、大切にする相手や価値を思っていたからです。労苦にも勝る何かの価値と尊厳ある相手や夢を持ったからです。

 パウロは嘲られて、投獄されるほどに憎まれる人物の宣教師でした。それも、自分が知らない人のために諦めずに奮闘しました。なぜなら、彼は自分とほかの人の人生を変える価値と尊厳ある人に出会ったからです。人生を変える知らせ、福音に仕える者となりました。福音を委ねられて、迫害されても、投獄されても突き進みました。福音に伝えるだけで満足でした。その心を学んで、彼を変えた真理を確認しましょう。

  1. 1~4節 「奥義」故に囚人となったパウロ
    1. 1節は途中で、13節まで続く「脱線」に入る。14節がその続きですが、脱線の理由は1節から推測します。パウロは「囚人」として祈っていることを語ろうとしますが、自分が牢屋に入っていることを説明する必要を感じたそうです。教会が神の宮であり、神様がすべてを支配するなら、なぜその使いのパウロは投獄されているだろうか、と人は思ったでしょう。
    1. 2節 「恵みの務め」故に、投獄されたパウロです。
      1. パウロが囚人であるのは、教会に加わる人々に伝達していたことがあったからです。彼はそれを「与えられた神の恵みの務め」と呼びます。主人が信頼する管理人に計画を委ねて、計画の実行を任せる表現です。神様は恵みを持ってパウロを遣わして、恵みを携えるようにしてくださいました。
      1. パウロは、良いことのために投獄されても動じるどころか、感謝します。
    1. 3~4節「奥義が啓示によって私に知らされました」
      1. 具体的な内容は、「奥義」。(先週の箇所の第一コリント2章1節参照。)
      1. 4節でそれは「キリストの奥義」とも呼ばれ、以前にもパウロが手短に説明したと書かれます。5・6節で具体的になります。
  2. 5~6節 「奥義」の意味
    1. 5節 奥義とは何か。
      1. 「前の時代には、今のように人の子らに知らされていませんでしたが…」「前の時代」とはキリストが十字架、死、復活、昇天をなさった前の時代です。それはその後の「今のように」知らされなかったが、多少の予告、約束、予兆ではほのめかされました。
        1. 即ち、6節の内容を旧約聖書と照らし合わせると、確かに約束されてきた王、救い主は各国の民を治めるようになり、各国の民がイスラエルに集められることは書かれていました。(詩篇2:8-11、イザヤ2:2-4・19:24-25、49:6、56:7など)
        1. しかし、象徴的な預言も多くあり、余り意識されませんでした。
      1. 「今は御霊によって、キリストの聖なる使徒たちと預言者たちに啓示されています。」聖霊様が、新しい契約のキリストの復活後の時代に、パウロのような「使徒たち」及び同時に活躍した「預言者たち」でした。新約時代の預言者たちについてほとんど知られていませんが、初代の教会で、使徒の働きを補足するように礼拝で教える役目があったと思われます(使徒13:1、第一コリント12:28、14:1-6)。 とにかく、キリストの奥義は今、私たちに充満した形で啓示された、素晴らしい知らせです。
    1. 6節 では、奥義は具体的に何を教えるか。「それは、福音により、キリスト・イエスにあって、異邦人も共同の相続人になり、ともに同じからだに連なって、ともに約束にあずかる者になるということです。」
      1. エペソ2章の半ばでも書かれたように、旧約聖書の時代には、ユダヤ人でない人は神様の約束から切り離されていました。
      1. ところが、福音によって、新しいことが今、始まりました。今、異邦人は全く同じ恵みに与らせていただけます。①「共同の相続人」として神の子とされています。②「ともに同じからだに連なって」共に動きます。③「ともに約束にあずかる者」として神様の民、家族、居場所(宮)に含まれています。前回の箇所で、一つの民、家族、宮として描写されていましたが、同じ現実の特権を表す言葉です。
      1. 疎外されたこと、仲間外れだったことはもう終わりました。イエス・キリストに関する良い知らせを信じる人は皆、一つとなります。この現実にパウロは感激して、投獄されても揺さぶられませんでした。
  3. 7節 「この福音に仕える者
    1. パウロは自分に与えられた務め(2節)を嫌がらず、ただ感謝します。パウロは宣教することを通して、「福音に仕える者」となりました。
    1. そうなった結果は、1節に戻りますが、「囚人」となっていました。心地よい生活を送られず、以前のようにユダヤ人の間でエリートの学者として見なされる代わりに、同胞にも異教徒の異邦人にも敵と見なされました。牢屋に何度も入れられました。(第二コリント11:23-27参照)でも、彼はこれをすべて、「神の恵みの賜物により」だと、特権だと思いました。
    1. しかも、パウロは自分がかつて、キリストを蔑ろにして自分で神からの約束と相続を獲得しようとした律法主義者だったことを覚えます。自分が善い人となって、努力で尊敬されるべき殉教者になっているとは考えません。ただ「神の力の働きによって」こそ、恵みに与る者でした。

結び

  1. 私たちは「福音に仕える者」パウロを聞いて、どう思うのでしょうか。彼のような心構えはどこから来るのでしょうか。パウロは何を見て、怖くない、感謝だけを捧げるようになったのでしょうか。
    1. 自分の罪を覚えて。7節後半、8節「すべての聖徒たちのうちで最も小さな私」の意識があった。(第一テモテ1:15-16
    1. イエス・キリストの福音を信じて。6節。
      1. 神様に対する反抗のため、受けるはずがない祝福(相続、一つとされること、約束)に与らされる。
      1. どの人、背景からでも、歓迎される。
      1. イエス・キリストと父なる神様がこの自分を求めて、力強く働き、迎えてくださったから、苦しみに耐える意味がある。聖霊様が使徒たち預言者たちによって教えた知らせは、神様の家族が相続して、キリストの「からだ」に加えられて、永遠の喜びを与える約束です。
    1. 私たちは、神様の約束を信じていますか。良いことも苦しみも神様の良いご計画の中で用いられる、と信じますか。
      1. 今週、誰かのために自分を捨てる必要があるでしょう。職場や家庭、学校で。それをも感謝しますか。神様の力強い愛で愛されていると信じるなら、感謝をもって愛することがしやすくなります。
      1. イエス様は、自分の為だけに生きたい人間を、父なる神様そして人の為に自分を捧げる人に変えられます。ご自身がまずそうしてくださいました。自己中心に陥る度、このキリストをまた見上げましょう。

振り返り:神様が福音で示した知らせをあなたはどのようにまとめられますか。それに感心して、神様の素晴らしさと愛を感じて、歩んでいますか。

鳴門キリスト教会
礼拝内容(説教)